わたらせ渓谷鉄道 #2 宮脇俊三

間藤駅。折り返しで約40分待ち。

線路もここで途切れているが、銅山が稼働していたころはここから鉱山まで線路が通じており、貨車が鉱石を運び出していた。

さて、ここ間藤駅は紀行作家・宮脇俊三(1926-2003)が国鉄全線乗車を果たした地。

中央公論社の常務取締役を務める傍ら国鉄全線乗車に挑んだ宮脇は、この体験を『時刻表2万キロ』の題名で発表。同時に会社を辞め、紀行作家としてデビュー。

以後国内国外問わずありとあらゆる鉄道に乗り、発表した紀行は数知れず。豊かな風景描写、歴史や地理などの深い教養、さりげないユーモアなど独特の文体。何よりも視点を鉄道マニアのレベルにおかず、(ワシもよく使いますが○○系とか言われても「どっちも同じじゃないですか?」案件ですよね)一般人の使う用語でつづる文章は鉄道ファンのみならず一般人の愛読者も広く獲得した。

鉄道の旅行記なんてその気になりゃ誰でも書けるのですよ。xx:xx○○行きに乗車。車両は○○系。途中△△山が見えてきた、○○駅で乗り換え、乗り換えのついでに□□弁当を購入。これに写真を添えればハイ完成。ビデオカメラの発達でこれが動画になって動画サイトでも見られるようになりましたが基本的なつくり方はほぼ一緒。

野球の観戦記も全く同じ。1番浅井ライト前、2番漆原送りバント、3番園部がレフト前ヒットで浅井生還。オイシックス一点先制。これを全部文字で書いちゃうか、ワシみたいにスコアテーブルにしちゃうか表現方式の違いはあるとはいえ、これを全部時系列で表現して、ちょろっと感想(評論)を書いて、写真をつければこれまたハイ完成。

しろねこ
しろねこ

だからこそ、これをゼニの取れる文章に仕上げてしまう才能がすごいのです

日々「ワシ、プロのライターでもないし」と逃げ道を用意しつつ、観戦記も言うほどちょろっとでは書けず、毎度書き終わって公開すると「もうちょっとうまい書き方はなかったか? 盛り込むべきネタはなかったか?」と反省する毎日がまた3月からやってきますが、それでも文章向上のためには書いていくしかないのです。

話が飛びました。

間藤駅の宮脇記念展示は思った以上に簡素で、当該の足尾線で完乗を果たした章もわずか8Pを割いているに過ぎず、ほんの1~2分で読み切れる。この簡素で必要以上の感情を乗せない文章こそ氏の真骨頂なんだろうなあ…

帰路はかぶりつきの「オタク席」が空いていたので、前面展望を眺めながら。大間々まではひたすら下り坂。大間々を過ぎると一転平地をたどって桐生着。

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