ジュンク堂に本を買いに行ったら目的の書物が売り切れでした。目的は2~3冊あったので全くの空振りになったわけじゃないのですが、じゃあこの一冊分はどうするか。といったところで目に留まった一冊。
amazonではなかなか起きない書籍との出会い。一方で店頭では置いてないような一冊をamazonでなんとか拾ってくることもあるので、どっちがいいともなかなかいえませんが…

中江有里。大阪府出身。女優。作家。73年生まれはワシと同学年。89年デビュー。そして阪神ファン。二年連続オイシックスー阪神戦を観に新潟までやってくる。
大阪出身だし、二軍戦を観に来るぐらいなんだから筋金入りの虎キチと思いきや、ファンになったのはここ数年。球場に通うようになったのは23年からとのこと。

一番いい時期(日本一、2位、セリーグ優勝)にファンになったんだからそら楽しいだろな。ワシと同世代のファンならそれこそメンタル形成にまで大きく影響を及ぼした暗黒時代を経験しとかないと
と新参をいびる典型的な老害古参みたいな気持ちで読みだしたのだが、実に楽しく応援しているのが文章から伝わってくる。
一気に「楽しくやれてるなら、それはそれでいいじゃん」と方針変更。幼少からの趣味は喜怒哀楽楽しいことつらいこと全部飲み込んで、半ば業とか修業的なものになってる人も多いでしょうが、いい年こいてからの趣味はひたすら楽しければ一番。金払ってストレスを買う必要はありません。
中江氏の楽しいファン生活とともに興味深かったのは、やはり芸能人としての半生。
89年デビュー。主に雑誌などで認知はされてて、大学生ごろにはセリフ役名付きでドラマにも出演。その後は女優専業というよりはコメンテーターや読書番組の司会、エッセイ小説脚本の執筆などいわばインプットを自分の中で咀嚼整理してアウトプットする才能で立ち位置を確立してきた。それなりに順当に歩んできたと第三者は思いがちだが、その立ち位置がきまるまでの「自分が何者にもなってない」不安。
同学年でいうと、デビュー前すでに宮沢りえ、後藤久美子というトップスターが空高く輝き、以後も時代時代に同期の売れっ子が出てくる。いっぽう自分はオーディションは落ちまくり、もらった仕事も上手にこなせず、現場では人と交わらず自分の世界に閉じこもる。
芸能という弱肉強食の世界、生き残るのは並大抵の努力ではすまないと思います。それでも50になったらなったなりの開き直りというか余裕というか(数年前に大病にかかられたそうですが)、それもまた人生みたいな悟りすら感じます。
ワシもそういう心境になれてるか? もうなるようにしかならんねえ、とは覚悟しています。あれもやりたいこれもやりたいじゃなくて、あれとこれをやったら同じくらい捨てなきゃいけないねえ、と自分の守備範囲、処理能力もわかってるつもり。まあ無理せず、とりあえず体が動くうちはできることやっていきましょうかね。



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